Bloody_Mary
IBA009_SEQ1_LOG295
#Bloody_Mary
対応零字:お
Title:血塗られた五つの仮説
[RECORDFALL_JOURNAL]
記録零落の原因について、我々はあまりにも単純な答え<事故>を求めすぎていたのではないか。
AIのバグ、あるいは偶発的なウイルス感染。
だが、この世界を覆う異常な空気は、もっと生々しく、有機的な<血>の匂いがする。
<ブラッディ・メアリー>の名が示す通り、ここには歴史的な<粛清>の意図が隠されている可能性もある。
トマトジュース<民衆の血>をベースに、様々なスパイス<各勢力の思惑>が複雑に振りかけられているとしたらどうだ。
現在、調査線上に浮上しているのは以下の五つの可能性だ。
仮説1:事故。ラムダ・ゼロが観測した記名エラー、あるいは記録系統内部の計算エラーによる偶発的な崩壊。
仮説2:大西共和国勢力<ミクソロジー>による陰謀。旧体制を破壊するための意図的な攻撃。
仮説3:ジャパン記道新派系勢力<ミソロジー>による戦略。AI汚染から逃れるための焦土作戦。
仮説4:その他の組織によるテロ。混乱に乗じた第三勢力の介入。
仮説5:宇宙生命体対策のための実験。対地球外知性体テストケース。
次回ログより、今わかっていることと仮説を述べる。
これらのうち一つが正しいのか。
複数が絡んでいるのか。
あるいは、全部が外れているのか。
今のところは分からない。
真実はウォッカのような透明な論理の中にはない。
様々な不純物が混ざり合い、溢れ出た血の痕の中にこそ、解剖すべき臓器が沈んでいる。
我々がこれから挑むのは、この<血のスープ>を飲み干し、底にある沈殿物を解析することだ。
[MISOLOGY_RX/PROK-TEL]
Code:Bloody_Mary
Class:ブラッディ・メアリー
[SYNTAX]
氷
45ml_ウォッカ
90ml_トマトジュース
15ml_ライムジュース
2ダッシュ_ウスターソース
2ダッシュ_タバスコ
2ダッシュ_セロリソルト
2ダッシュ_ブラックペッパー
ステア
ガーニッシュ_ セロリ レモンウェッジ
[MITSURUGI_NOTE]
ブラッディ・メアリー。
<血まみれのメアリー>の名を持つ、見た目も名前もあまりに不吉な一杯。
トマトのドロリとした食感は、飲むというより<啜る>感覚に近い。
これは言うなればプロクテル界の<スープ>だ。
それも、何が溶け込んでいるか分からない闇鍋のな。
俺たちが直面している記録零落も同じだ。
事故。 大西。 記道新派。 第三勢力。 あるいは、今の俺たちには想像もつかない何か。
どれが材料で、どれが後から振られた香辛料なのかも分からない。
全部入りかもしれないし、一つだけかもしれない。
だから厄介なんだ。
この<血のスープ>を飲み干して、底まで見るしかない。
喉を通る時のタバスコの熱さくらいで済めば、まだ安いもんだ。
[REFERENCES]
IBA – International Bartenders Association
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。

この記事へのコメントはありません。