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誘発二進記録庫

Champagne_Cocktail

IBA017_SEQ1_LOG303

#Champagne_Cocktail
対応零字:け
Title:科学呪術

[RECORDFALL_JOURNAL]
プロクテルは、単に材料を混ぜれば完成するものではない。
これは言わば科学的呪術の儀式だ。
例えば角砂糖にビターズを染み込ませ、シャンパンを注ぐ。
その瞬間に立ち昇る泡、崩れゆく砂糖のうねり、柑橘の香り。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、そして触覚。
五感すべてを同時に刺激することで、通常の言語的な照合を迂回し、記録が深層へ入り込むルート<バックドア>が開く。
このプロセスを経ることで、単に混ぜ合わせた場合とは全くの別物が完成するのだと俺は考えている。
液体の物性を媒体<キャリア>として、異なる情報を衝突させ、新たな意味を爆発させる。
故に一流のバーテンダーやシェフでも、プロクテルと呼べるものは作れない。
溶解師たちは、飲む者の精神状態と、その日の気圧、湿度まで記録し、構文の調整に組み込む。
それだけではないだろうが、もし手順を誤れば、それはただの刺激物になり、最悪の場合、脳に意図しない結果を招く<毒>となるだろう。
プロクテルが持つ力とは、現実を液体化させ、飲み干せる形に再構築する<科学呪術>だ。
デジタルの信用が失墜したとき、こんなアナログな経口摂取が<呪い>に思えるだなんて、皮肉なもんだな。

[MISOLOGY_RX/PROK-TEL]
Code:Champagne_Cocktail
Class:シャンパン・カクテル
[SYNTAX]
1バースプーン_砂糖
2ダッシュ_ビターズ
10ml_コニャック
ステア
90ml_シャンパン
ガーニッシュ_ オレンジゼスト
マラスキーノチェリー

[MITSURUGI_NOTE]
シャンパン・カクテル。
グラスの底で、ビターズを吸った角砂糖がゆっくりと崩れていく。
黄金色の泡が立ち昇るその様は、まるで古い映画のエンドロールのようだ。
美しいが、どこか儚い。
砂糖が溶け切った時、味は完成し、そして消えていく。
少なくとも、俺がこの一杯で観測している<覚醒>も長くは続かない。
だからこそ、俺たちはその一瞬に全てを賭け、次の変化を誘発する。
この一杯は、死んだ世界に捧げる祝杯であり、弔砲だ。

[REFERENCES]
IBA – International Bartenders Association

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