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誘発二進記録庫

Boulevardier

IBA010_SEQ1_LOG296

#Boulevardier
対応零字:オ
Title:仮説1.伊達男の躓き

[RECORDFALL_JOURNAL]
最もシンプルかつ、救いのない仮説。
それは<誰も悪くなかった>という説だ。
もしラムダ・ゼロが正常に稼働していたとするなら。
記道も大西も、それぞれのルールで動いていたとするなら。
それでも、ある日突然、伊達男<ブルバルディエ>が街角を曲がるような気軽さで、致命的なエラーが発生した可能性は残る。
原因は<データの過積載>とも、<偶然の文字化け>とも言われる。
ウイスキーの穀物的な温かみ<人間性>と、カンパリの苦い薬草<論理>と、ベルモットの甘いワイン<記憶>。
これらが脳内で混ざり合う過程で、たった1ビットのズレが生じた。
そのズレがドミノ倒しのように認識プロトコルを崩壊させ、世界は<意味>を維持できなくなった。
誰の陰謀でもない。
ただ、複雑になりすぎたシステムが、自重に耐えきれずに躓いただけだ。
この仮説が正しいならば、我々はただの<衝突事故>の被害者であり、怒りをぶつける先すらどこにも存在しない。

[MISOLOGY_RX/PROK-TEL]
Code:Boulevardier
Class:ブルバルディエ
[SYNTAX]
45ml_ライウイスキー
30ml_カンパリ
30ml_レッドベルモット
氷
ステア
ストレイン
ガーニッシュ_ オレンジゼスト

[MITSURUGI_NOTE]
ブルバルディエ。
<大通りを歩く伊達男>。
ネグローニのジンをウイスキーに変えただけのこのプロクテルは、都会的で洗練されている。
だが、この赤黒い液体は警告している。
どんなにスマートに歩いていても、足元の小石一つで転べば死ぬのが人間だ。
ラムダ・ゼロも同じだったのかもな。
全知全能の顔をして、奴が自分の靴紐に引っかかって転んだ。
その巻き添えで、俺たちの文明は粉々になった。
もし本当にそうなら、これほど笑えない悲劇もない。

[REFERENCES]
IBA – International Bartenders Association

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